衛生管理

当院の感染対策への取り組み

滅菌処理の工程

step01  手洗浄

手洗浄とは、ブラシやスポンジと洗浄剤を使い、手で物理的に汚れを取り除くことを指します。診療で使用した器具をすぐに手洗浄することで汚れのこびりつきを防ぐことができます。ただし、洗浄する作業者の感染曝露や鋭利な器材による切創などのリスクがありますので、機械洗浄のできない器材にのみ細心の注意を払って行います。

 

step02  高熱水洗浄消毒

 

液体に超音波を発生させることで微細な泡による衝撃波と水分子を対象物にぶつけるキャビテーション効果を起こし、それによって汚れを取り去ります。複雑に入り組んだ器材の目に見えない部分まで短時間に洗浄することが可能です。血液やタンパク質などの汚れに対しては、浸漬洗浄の後に超音波洗浄を行うことで洗浄効果を高めています。また、切削バー、根管治療用器具、超音波スケーラーチップといった微細な器材は、専用の容器に入れた上で超音波洗浄を行っています。 なお、超音波洗浄ではキャビテーション効果によってエアロゾルが発生しますので、環境中に拡散するのを避けるために必ず蓋をしてから運転するようにしていますのでご安心ください。

step03  水洗いですすぎ

浸漬洗浄と超音波洗浄を行った後は、器材に残った洗浄剤や溶解した汚れを完全に除去するために丁寧に水洗いをしています。すぐに水洗いをすることで残留物の固着や微細な隙間への残留を防いでいます。水洗いでは、不純物を完全に除去した純水を使用しています。水道水は細菌が繁殖しないよう塩素系の食毒液を含有しており、すすぎに使用するとミネラル付着によるシミやサビ、金属の腐蝕の原因になってしまいます。また、水道水は通ってきた水道管の老朽化によってサビなどの微細な粒子を含むことがあり、その意味でも純水以外でのすすぎは適切ではありません。

step04  パッキング(乾燥)

洗浄とすすぎを終えた器材は、すぐに乾燥させています。水分が少しでも残ってしまうとシミやサビ、腐蝕の原因になってしまいますので、速やかに、そして完全に乾燥させることが不可欠です。また、拭き取りには糸クズが出ない柔らかい布で吸い取るように水分を除去しています

step05  クラスB滅菌器で滅菌

洗浄とすすぎで汚れを落とし、乾燥を行ってから、最後に滅菌という工程を行います。除菌や殺菌ではなく、最も高度な滅菌を行うことで安全性を高めています。 歯科治療や処置で使われる器具にはさまざまな種類、形状、性質、機能があり、使用できる滅菌器の種類、必要とされる滅菌レベルが変わってきます。当院では、使用する器具すべてに合わせた滅菌器を揃えています。中でも汎用性と信頼性に優れているのが「クラスB オートクレーブ リサ」という滅菌器です。器具の形状や機能などを問わず、130℃の高温による世界最高水準の滅菌処理を行うことができるため、最後にこの滅菌器を用いて確実な滅菌処理を可能にしています。

step06  滅菌状態で保管

滅菌処理が終わったら、歯を削る器具を含め、診療に使う器具はすべて個別に滅菌パックを行っています。滅菌パックをした後はすぐに滅菌粉に入れて保管し、診療で使う直前に取り出して滅菌パックを開封し、使用しています。患者様ごとに滅菌庫から滅菌パックを取り出して使い、使い終わったら洗浄・すすぎ・乾燥・滅菌・パックを行います。

世界基準の滅菌器・洗浄機

ミーレジェットウォッシャー(高圧洗浄機)

治療で使用した器具を、洗浄、すすぎ、消毒、乾燥までを自動的に行ってくれます。治療の際に付着したタンパク質は、60度を超えると凝固してしまう為、温水で洗い流し、その後、高圧洗浄し、最後に5分間、93度の熱水で消毒を行います。

オートクレーブ(クラスB滅菌器)

当院で導入しているオートクレーブは、世界で最も厳しいとされるヨーロッパ基準「クラスB滅菌レベル」をクリアしており、歯科先進国でもあるヨーロッパでも多くの歯科医院で導入されています。歯科治療で使用する器具には小さい穴があったり、細いパイプがあったりと非常に複雑なつくりになっていますが、オートクレーブは真空状態にして蒸気を封入することで確実な滅菌を行う事が可能となります。

iClave mini (ハンドピース専用滅菌機)

歯を削る際に使用するハンドピースを、高圧蒸気重力置換で滅菌を行います。

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